草月流いけばな うつぎ会

1.いけばなの形と技術の基本

→2.いけばなの形と技術の基本

 
↓(1)花材の組み合わせ方↓(2)道具の使い方 ↓(3)「日表・日裏」
↓(4)花材の整理 ↓ (5)はなとの対話

(1)花材の組み合わせ方

いけばなで使う材料の組み合わせは、木の枝など、上に伸びる線的な花材(枝ものが多い)で骨組みを作り、手前に出す草花(草もの)で華やかさを演出するという、2種いけが基本でした。前者の骨組みを作る花材を「主材<」(しゅざい)草花を「客材<」(きゃくざい)と言います。量感が足りない場合はそれらを補う(茂りもの)を加えた3種程度までが一般的ないけばなの組み方です。この組み合わせで、いけばなを活ける練習をしましょう。→「花型」

(2)道具の使い方

1、花鋏(花ばさみ)
鋏は、右親指と人差し指の元で軽く支え、あとの指は、はさみの柄に合わせて、挟まないで使います。指一本でも柄の中に入れると、はさみの刃が自然にかみ合わず、スムーズに切れません。まず始めに、上下の刃が斜めに傾かないように鋏をしっかり持って切る、この練習をしましょう。

また、鋏で草木を切る時は、Photo4のように、刃先を持ち手の側に向けないように、外方向に切ることも、安全上、大切な基本です。 →鋏 

 

2、水切り

 

花を永もちさせるために、水を入れた器を用意して水の中で切ることを水切りといいます。これによって、切った瞬間に切り口から空気が入るのを防ぐのです。他にもいろいろな水揚げ方法がありますが、水切りは水揚げの基本で、たいていの花材は水切りすれば水揚げしますから、これだけは習慣をつけましょう。 特に、夏場の花は、水揚げも悪く痛みやすいですが、水を腐らせないことも水揚げにとって大切です。それには、塩素系漂白洗剤を1〜2滴たらすと効果があります。
3、剣山

 

 

水盤を使う盛花では、ふつう花留め剣山(けんざん)を使います。剣山に留める枝ものの切り口は、なるべく斜めに切り、太い枝の場合にはさらに段を付けて尖らせます。木の枝などは、剣山の針に刺っていくわけではなく、斜めに切った枝先が、針の間に挾まって留まるのです。ここでのコツは、はじめに垂直に立ててしっかりさし、押えながら、自分の好きな一角度まで傾けていくのです。ただ斜めにいきなり押えつけても留まりません。草ものなど茎の柔らかいものは、軸が傷まないように気をつけて、そのまま剣山の針に刺し込みます。 
 


(3)「日表」(ひおもて)「日裏」(ひうら)

植物が生えていく時に、その枝葉や花は、日差しに向かって茂りますから、南側が表、北側が裏になり、いけばなの世界では「日表」「日裏」と呼んでいます。Photo左「日表」右が「日裏」です。太陽は毎日東から西に動いて、植物は、なるべくたくさん日を浴びるように枝を茂らせます。枝を右に振った時と左に振った時とで、どちらが表向きの葉や花が多く勢いがあるかで、枝を「右振り」「左振り」に分けて「日表」がなるべく見る側に向くようにいけます。

 

(4)花材の整理

 花をいける前には花材の整理が必要です。右Photoのように、特に足元に注意して、終わった花、腐った花、折れたりへなへなした枝、変色した葉などは取り、きれいな部分を残します。その時汚れも拭き取りましょう。
整理された花材は、残した部分の密度が上がって、花材の表情が強調され、まるでクローズアップされたような力を持ちます。
どのくらい整理したらいいのか、はじめはなかなか決められませんが、一本一本の花材にこだわるのではなく、いけ上がった作品のまとまりの中で花材の整理も考えていくようにします。>花材をよく観察して、自分がいちばんどこに魅力を感じるか、見せたいかを工夫すると、整理に思い切りがつくでしょう。
正面から見るだけでなく、側面や後ろにも気を配るなど、全体の中で花材の扱いも重要です。剣山は花材を立たせる道具ですから、見せるものではありません。残った花材の葉の茂った部分などを利用して隠します。
最後に残った捨てる花材は、枝を曲げたり、折ったり、細かく切ったりして、花材の扱い方や鋏使いの練習をしてから捨てましょう。

 

(5)はなとの対話

いけ終ったら少し後ろに下がって、ここで、出来上がったはなとの対話を始める、というふうにすると、さまざまな方法が沸きあがってきます。迷ったときは積極的な方を選び、もし失敗したと思っても、それが練習と思えば、やった方が学ぶことも多いのです。いろいろにいけながら、リアルタイムで写真で比較していくことも今ならかんたんに出来ます。
持ち帰ったはなは、なるべくはやくいければ、傷みも少なく長持ちします。その時も、最初にいけた時のはなを再現するのではなく、新たにいけなおすつもりでいけると、新しい発見があります。いけばなを通して、はなとのふれあいをお楽しみください。

 

 

 

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